小さな造り酒屋に三種の銘柄? 明治17年(1884年)、阿武隈山系を望む旧棚倉街道沿いの茨城県常陸太田市町屋町に創業。この地域は、清らかな里川が流れ、付近の山々からの伏流水に恵まれた豊かな土地です。 創業からの清酒「朝日正宗」に加えて、昭和40年(1965年)頃に、他社様との共同瓶詰工場を構えた際、その工場の銘柄を「千姫」としましたが、数年後、解散するにあたり弊社の銘柄となりました。 それから十数年後の昭和55年頃、茨城県水海道市(現在は常総市水海道町)に、徳川家康の孫である千姫の墓所があることを知りました。 さらに昭和63年(1988年)に、お酒の高級志向に対応するため大吟醸を造るに至り、弊社で一番のお酒として、西山荘が有名なこの地に敬意を表し「光圀」を銘柄といたしました。 今後とも「朝日正宗」「千姫」「光圀」の三種の銘柄をどうぞよろしくお願いいたします。
ワイン造りはブドウ栽培から 常陸太田市が巨峰ブドウの産地であったことから、地域のご要望をいただき、45年ほど前からワイン造りを考え始めました。巨峰ワインを試行錯誤する一方で、巨峰は生食用のブドウのため、昭和51年(1976年)先代が50歳から、山の斜面を切り開き、ワイン用ブドウの栽培を開始しました。弊社が取り組んでいる山ブドウ交配種は、欧州系の日本原生山ブドウと、欧州種との交配品種です。その山ブドウ交配品種の中から、この土地の風土に適した品種を見つけ出すため、交配苗木30種400本の試験栽培を始めました。 古来よりワインは欧州種のブドウからのみ、良質のものができるとされてきました。これら欧州種は、夏乾帯の中央アジアなどが原生地で、夏湿帯の日本の風土では生育が難しく、多くの労力と農薬、資材などを必要としていました。さらに戦後、日本原生の山ブドウの中に、欧州種で優秀なワインの原料となり得るものがあることが分かり、小粒の欧州系日本原生山ブドウと欧州種を交配することで、量産できる山ブドウ交配種の研究が進みました。 植えて4年後、たった3本の木に真っ黒な見事なブドウが、もう1本の木に、美しい黄緑色のブドウが実りました。ブラックとホワイトの「ペガール」でした。特に黒色の実をつける山ブドウからのホワイトペガールの誕生は、大変貴重なものとなりました。 昭和56年(1981年)に、「常陸ワイン」のワイン製造免許を取得し、「常陸ワイン」のロゴも書道家矢萩春恵先生に作っていただきました。その後、ペガール以外にも、「小公子」「ワイングランド」「山ソービニヨン」なども収穫できるようになりました。 ブドウ品種の選択について、ご質問をいただくことがありますが、ブドウ達がこの地の気候風土を選んでくれ、これらの試験栽培から得られた品種を少しずつ増やし現在に至っています。 山ブドウ交配種は、日本原生種の基本的な良さや、重厚な風味を残しつつ、欧州種特有の資質の良さも持ち合わせ、日本の風土で無理なく豊かに実る特性があります。それでも、病気や害虫との戦いですが、除草剤を使わず草を生やす「草生栽培」や「低農薬栽培」により自然の状態に近づける努力をしています。 現在弊社農園では、山ブドウ交配種5種類を栽培し、それらと地域の観光農園で栽培されている巨峰を原料にして、「常陸ワイン」7種類を醸造しています。 弊社では、ブドウの個性を活かしその個性を楽しんでいただくため、できるだけ混ぜることをしないワイン造りをしています。 ワインは、その土地の気候風土を表すと言われています。
また、
■ 道の駅ひたちおおた 黄門の郷 (常陸太田市下河合町) |
檜山酒造株式会社 清酒「光圀」「千姫」「朝日正宗」と日本ワイン「常陸ワイン」 醸造:
〒 311-0311 茨城県常陸太田市町屋町1359
TEL 0294-78-0611 FAX 0294-78-0612